TEL.044-750-7363(受付時間 平日9:00〜18:00)
※時間外の場合はお問い合わせフォームにてご予約ください

遺言・相続・後見問題

遺産の使い込み・使途不明金問題

[CASE] 父が亡くなったため、父が生前取引していた銀行口座の通帳をみると、亡くなる直前に、多額の引き出しがなされ、相続開始時点でほとんど残額が残っていないことが判明した。父は亡くなる数年前から施設に入所しており、私の兄が父から通帳やカード印鑑等を預かって預金を管理していた。兄に預金の引出しについて尋ねたところ、引出しの事実自体は認めたが、「一部は父から生前に贈与を受けたもので、その他は父のために使った」などと述べ、詳細な事情について説明することはなかった。少なくとも父が施設に入った後は、そんなに支出が多くなるはずはないので、兄が父の預金を使い込んだのではないか。一部でも取り返したい。

上記のように相続人の一部の方による遺産の使い込み・使途不明金が疑われるようなケースのご相談については大変多い印象です。
遺産の使い込みや使途不明金は、相続開始後の遺産分割協議や調停手続のなかで、被相続人の預貯金の残高が思っていたよりも少ないと感じた相続人の一人が
預貯金の取引履歴を取り寄せた結果その段階で判明することがよくあります。
もっとも、これらの問題は遺産分割とは別個の扱いとされ(遺産分割調停手続では相手方の同意がない場合この問題を取り扱ってはくれません。)、
多くの場合、預貯金の引出しを行った相続人に対し、不当利得返還請求ないしは不法行為に基づく損害賠償を根拠として遺産分割とは別の手続(通常の訴訟手続)で請求する必要があります。
もっとも、当該訴訟においては、誰が誰のために引出しを行ったのか、引出しの時期や引出し当時の被相続人の状況、その際のやりとりの内容や引き出された預貯金の実際の使途等に応じて、
法的な構成や裁判において主張・立証を行うべきポイントが大きく変わってきます。
このような問題が発覚した場合には、専門家である弁護士にご相談されることをおすすめします。

関連記事