TEL.044-750-7363(受付時間 平日9:00〜18:00)
※時間外の場合はお問い合わせフォームにてご予約ください

不動産関連

共有物分割請求

・親から不動産を相続し、当時は仲が良かった兄弟と2分の1ずつ共有する内容で遺産分割をしたが、その後兄弟と当該不動産の使用方法等で揉めてしまい、兄弟が独占して使用している状況。自分としては共有持分をもっていても仕方がないので、共有状態を解消したい。
・友人と不動産を共同で購入したが、その友人が固定資産税や維持にかかる費用を負担しないにもかかわらず好き勝手使われてしまっているのでなんとかしたい。

 共有者間の関係性が悪化すると、上記のような共有不動産の使用方法などに関して、多くの問題や対立が生じることがあり、共有状態が続く限りその関係は半永久的に続きます。
このような場合、自らの共有持分を第三者に譲渡したり、自らの共有持分を放棄する方法もありますが、共有持分の場合完全な所有権と比べて、低い価格での評価となってしまうことが多くあります。それら以外で共有関係を解消する方法の一つとして「共有物分割」という方法があります(民法258条1項)。まずは、共有者間で共有物分割について協議を進めることになります。しかし、任意での協議がまとまらない場合には、共有物分割を求める共有者が他の共有者全員を被告として、裁判所に共有物分割を求める訴えを提起して、共有関係の解消を求めることになります。(なお、遺産分割が未了の遺産共有状態の場合は当該手続を利用できず、遺産分割手続の中で取り決めます。)
具体的な分割方法としては、主に①現物分割、②換価分割、③全面的価格賠償の3類型があり、場合によってはこの3類型を組み合わせることによって解決が図られることもあります。①の現物分割は、不動産そのものを分断して、エリアごとに単独所有にする方法をいいます。②の換価分割は、共有物件を売却して金銭に換価し、その金銭を共有持分に応じて分配する方法を言います。共有者間で売買金額その他の条件がまとまった場合には、共同売却という方法によって売却が可能ですが、そうでない場合には、形式的競売という裁判所による手続で競売にかけて売却することになります(形式的競売の場合、共同売却に比べて売却金額が低くなってしまうという特有のデメリットがございます。)。③の全面的価格賠償は従来の最高裁判例が認めた方法で近時の法改正によって明文化されたものになります。
具体的には、共有物を、共有者1名の単独所有にして、その代わりに他の共有者に対して各共有持分に応じた賠償金を支払う方法です。ただし、共有者のうちの誰が単独で取得するのか、賠償金の金額について大きな争いとなります。
上記いずれの分割方法が妥当であるのか、現物分割をするとしても共有物件をどのように切り分けるべきか、全面的価格賠償をするとしても賠償金の相当価格はいくらであるのか、様々な問題を検討しなければなりません。また、共有物件の形状や、現在の使用状態、過去の経緯など、それぞれの事情を総合的に考慮する必要があり、不動産取引に関する深い理解や専門的知識が必要となります。
当事務所の弁護士の原は、不動産取引にも精通しており、豊富な経験を有しておりますので、共有物件についてお悩みを抱えている方は、是非一度ご相談にいらしてください。

関連記事